人気ライオン「セシル」が殺されたニュース
ジンバブエの人気ライオン「セシル」が殺されたというニュースが、少なくても英語圏の大トレンドになっている。
セシルは、現地のガイドの協力を得たアメリカ人のbig game hunter(大きな獲物を狙う狩人)によって、自分が保護されていたワンゲ国立公園からおびき寄せられた上、殺されたとの報道であった。
報道から憤慨へ
しかし、ニュースの報道と消費で終わらなかった。ツイッターやフェイスブックを始め、様々なソーシャルメディアや人気サイトで集団反応が起こった。一気に、セシルを殺したハンター(米国の歯科医師)は、地上で最も嫌われている人物の一人になってしまった。
今回は何が違ったのだろうか。すなわち、big-game huntingは日常茶飯事なのに、今回のようなmass outrage(大衆の激怒)はなかなか見られない。その違いを説明しているサイトはこちら。
特に、この記事の第2項目 “How did this become such a big deal?”をご覧ください。
Going Viral・ウイルス性を持つことの恐ろしさ
今回のmass outrageによって、セシルを殺した歯科医師ウォルター・ジェームズ・パーマー氏の人生が大きく変わったはずだ。突然、世界の注目を浴びてしまった。And not in a good way.
次の記事では、自分が突然 “go viral”したらどうなるかについて書かれている。すなわち、普通の人がソーシャルメディア等で爆発的なトレンドになってしまった時の心理や危険等について解説している。(セシルを殺したハンターのことは直接触れらていないが、彼が今体験していることに近いことだと想像できる。)
アンディ・ウォーホルは、「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人になれるだろう」、 “In the future everyone will be world-famous for 15 minutes”と言ったが、15 minutes of fameは必ずしも望ましいことではないとつくづく思う。
Internet Justice: 世界が裁判官となった時
有名になることは恐ろしいかもしれないが、世界的な規模で村八分にされることは想像を絶する。やはり、今回もそれが起きているようである。これからパーマー氏はどのような法的扱いを受けるのかがまだ定かではないが、彼の歯科業・歯科医院は相当なダメージを受けているに違いない。
最後の記事はワシントン・ポストからのコラムである。コラム欄執筆者は決してこのハンターがしたことを弁護していない。しかし、インターネットでよく見られる「大衆の正義」とは、自警主義、ヴィジランティズム(vigilantism)に過ぎないのではないかと示唆している。
いかがでしょうか。セシルのための正義はどのような形をとるのだろうか。What will it take for justice to prevail for Cecil and other precious wildlife?
Cecil the lion in Hwange, Zimbabwe
ワンゲ国立公園で、のんびり暮らしていたセシルをご覧ください。
注:英語サイトのリンクは、NextDraftのメールマガジンで紹介されたリンクである。